私と癒しと憩のいのライブラリー

私は、昨年の4月にそれまで暮らしていた神奈川での仕事や生活を整理して、伊豆高原に引っ越しをしてきました。友人から癒しのライブラリーの噂は耳に入っていたのですが、中々行く機会に恵まれず、8月に初めて行きました。

活字中毒とは言えないまでも、本が大好きです。旅行へ行っても知らない土地の書店・図書館を巡るのも楽しみの一つです。伊豆高原に来てみて、覚悟はしていたけれど、やっぱり大きい書店はない? ない!
最後の望みで、癒しと憩いのライブラリーに行きました。ホテルに入った時から、これは大丈夫かもという期待で胸が膨らみました。最近の新しいホテルとは違い、しっかりとした木を使った造り、重厚かつシンプル、館内を漂う空気に安心できました。そしていざ、廊下を抜けてライブラリーへ。本の多さに驚き、雑誌から小説からそして様々なジャンルの本がずらっと。帰る時には嬉しくてやっと伊豆で暮らせそうと思いました。

色々な方々から寄贈の本、新刊、古い本、色々です。名前だけ知っている方からの寄贈の本、色々と書き込まれた本、一所懸命に勉強していたのだなと思わず、ほくそえんで書き込みまで読んでしまう。その本への想い、読んだ方の想いが入っている。新しい本もよいけれど、これもまたありで、楽しい、嬉しい、得した気分になる。ページを折ってある箇所、何処を読み返したのだろう、と想像して私も読み返す。中古で本を購入する際、読んだ方の気持ちが入っていないものを敢えて選んでいたけれど、ここに来て今までの私の固まった考えに気が付かされました。新刊にこだわる種類の本もあります。でも、このライブラリーに置いてある本には、読んだ方とお会いできなくても、その方の想いは伝わる何かがあると思いました。作者の想い、そしてそれを読んだ方の想いの両方が・・・。寄贈してくださった方のお名前がわかるから、余計に思うのかもしれません。

こちらで新しい職を手にして専門書ばかりを読み漁りあたふたしていたけれど、ライブラリーに行けば、読みたい本がある、安心して読める場所がある、これを楽しみに頑張ってきました。少しずつ新しい仕事にも慣れ、自分の時間が出来てきた今、しばらくご無沙汰していたライブラリー通いをまた始めようとしています。もう少し落ち着いたら、ライブラリーで本の好きな方々と話したり、手続きをしたり、お手伝いをしたいと思っています。本当はあの空間で自分の好きな本を片っ端から読みたいというのが私の本音だけれど。

伊豆に住んでいる方々だけではなく、遠い処から来た方も観光とともに、緑に囲まれて本を読むという贅沢な時間をここで味わえば、リフレッシュできるのではないでしょうか・・・。

多くの方々に癒しと憩のライブラリーへと続く廊下へ、現実から離れ自分だけの為の時を過ごすための道へ、足を踏み入れてほしいと願っています。

伊東市在住 東 由美