こんな図書館があったとは、、、

ほどよい紅葉に染めらた小高い山を登ってゆく。綺麗に焼けた空の下に街が点在している。とても静かな場所にやってきた。ここは、サザンクロスリゾートにある一風変わった図書館。

《癒しと憩いのライブラリー》

プールに通じるトンネルを抜けると、四方の壁に一面に敷き詰められた本。それをよく観察してみると【索引】方法がおもしろい。
本は、五十音順でも作者別でもなく

『癒しのヒント』

『医療をみなおす』

『気とは』

『生命とは』

『死とは』

『カウンターカルチャー』など。。

索引の題名から考えさせられるものばかりで。

『持続可能な世へ』

『先人の知恵に学ぶ』

『草木土みなほとけ』

とうてい1日や2日では知りえないテーマがズラリと並ぶ。ひとつひとつの本を手にとってその世界や、その付近に置いてある本との相関を知ろうとすればするほど、それが途方もない時間が必要であることに気づかされる。
私は棚から本を取り出すことをやめて、整然と並べられた本の題名だけを端から見ていくことにした。

【ことばが人と世界をつくる】

という索引題名から始まる。言霊や古代の言葉にも触れながら、やがて本棚の題名が進行方法→に向かって徐々に人の【こころとカラダ、知性】などに移っていく。聞いたこともない治療法や治療薬から、インドやチベットの技や、ホメオパシーなど。もちろん、日本の伝統医療についても、しっかりと本が揃えてある。
ここの図書館の本棚に並べられた本たちの題名を見る行為だけで、それがひとつの体系を持った大きな本を読んでいるようだ。ここの図書館において、今の自分がどこあたりに興味を抱いているのか、また、その先やその周りにはどんな世界が広がっているかを教えてくれるようだった。
ほどなくして、私は再び同じ問題にたどり着くのだ。『自分の好奇心を満足させるための、すべての本を読むためにはどれだけの時間をここで過ごせばよいのだろう。』
そこで、図書館の”1日館長”のチラシを目にする。 きっと館長になれば、自分の知的好奇心を満たすことができるのではないか。静岡県民だったらなぁ。
ここの図書館の本はすべて”寄付”によって集められたらしい。大切な本の置き場所にも個人宅では限界がある。でも、安く売りたたかれるのではなく寄贈することによって再び手にして読むことができる。私たちが寄贈した本は、どこの本棚に分類されるのだろう。。

 

丹波市 井上直人 (丹波市復興支援プロジェクト代表)